PADIダイビングショップ アリエス
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伊豆などの近海ではウエットスーツよりも長い期間使い、中にはオールシーズンドライスーツのダイバーもいます。
また、沖縄辺りでも冬からゴールデンウイーク辺りまではドライスーツの方が快適な方も多い。
ダイビングは器材に大きく左右されるアクティビティ。
重器材と同様に長く使い、人によってまったく違う形をしている体。
全身を覆うドライスーツ選びはとても重要で、
スキルに影響する水中でのコントロールのしやすさ、
楽しめるダイビング時間を決める保温性、
使用出来る年数を決める耐久性、
ピンホール(穴が開くこと)などが起きづらい強度など、
ダイビングに与える影響はかなり大きいもの。
購入するなら納得できる1枚を選びたいところ。
初めてドライスーツを買う時には「どれくらいの性能のものを選べばいいんだろう?」と悩む方も多いと思います。
それは価格差が大きいのが原因の1つではないでしょうか?
「高いドライスーツでも、安いドライスーツでも大差ないんじゃないの?」と思って購入すると、失敗してしまうかもしれません!
ドライスーツの違いを知って自分の希望に合った1着を選んでもらえればと思います(*^^*)
* 文中に出て来る名称で注釈がないものはワールドダイブ製品になります
* 安価なドライスーツは最大手量販店のオリジナルドライを参考にしています
* どちらも2024年6月現在のデータで、価格は税別です
< 目次 > 各項目をクリックするとジャンプします
*ドライスーツは4パターンに分けられる
ドライスーツの価格差は生地の違い
男性が仕事で着る背広。
紳士服のAOKIで買える3万のものもあれば、イタリア製の高級生地を使ったオーダーメイドで30万もするようなものもあります。
同じ背広という名前でも「きっと違うんだろうな」という印象はあると思います。
ドライスーツも価格差の大部分は生地です。
生地はダイビングメーカーでは作らず、生地屋さんが作っていて、厚みや性能により大きな価格差があります。
生地には既存の大量生産品もありますし、大手ダイビングメーカーではこだわりのオリジナルを作ります。ここでも作る量の差があるので価格が変わってきます。
生地は三層構造になって、どのように組み合わせるかで性能が変わってきます。
見えない中生地が全体の性格を決める
中生地は通常見えない部分で、唯一見えるのが手首。
よく見ると外側はザラッとした網目状、内側はつるっとしていて、挟まれているのがスポンジ状の中生地。
中生地はゴムの中に小さな空気の気泡が含まれていて、この気泡の大きさとゴム質で耐久性や動きやすさ(柔らかさ)が変わってきます。
一見同じような生地に見えるウエットスーツとドライスーツでも違います。
どの位のレベルの中生地を使用するかで、ドライスーツの質感はまったく別物になります。
安いドライスーツにあるのが、
「固くてゴワゴワしている(動きづらい)」
「薄く柔らかくてフニャフニャしている(耐久性がない)」などがあります。
ワールドダイブの生地は「柔らかいのにコシがある」
ゴム密度が高く、復元力の高いゴムが使われています。
これは、ドライスーツを初めて触る人でも、すぐに気付けるほどの違いがあります。
耐久性(使える年数)やトラブルの頻度(水没のリスク)も中生地で変わってくる部分。
一番安価なADL73R(¥138,000)では、中生地にウエットスーツ用を使ってコストを下げています。
他のドライより厚い5ミリの生地が使われているのは、ドライスーツ用の生地に比べて水圧で潰れやすく、薄くなるのが早いため。
中生地は非常に弱いもので、単体ではすぐに破けてしまいます。
種類の多い外生地
耐久性とトラブルが変わる
もっとも種類が多いのが外生地。
例えばどんな物があるかというと、
とても丈夫だけど伸びない生地、
丈夫さと伸縮性をもったもの、
色の数が多かったり、プリント柄、
補強のためだけに使われる安価なものなど。
他にもいくつかの外生地があります。
廉価版のドライスーツでは1種類が全体に使われています。
上級機種では3~4種類の生地が適材適所に使われていて、
「動かない部分は最も丈夫な生地で覆う」
「BCDなどで擦れる部分は補強する」
「よく動かすところや、色で遊びたい部分には柔らかい生地を使う」などしています。
外生地に丈夫なものを使えば長く使用することが出来て、ピンホール(小さな穴が開くこと)での水没も少なくなるので修理代もかかりません。
また水が冷たい時期だと水没は寒い思いをしますし、数日間のツアーであれば不快な状態が続いてしまいます‥(^_^)
丈夫な生地は高価になるのと色が少ないので、デザイン重視のダイバーは、あえて選ばない方もいます。
以下は外生地の一部をご紹介。
< ソフトラジアル >
自動車のタイヤのような感触。
もっとも丈夫な生地。水を吸わないので傷みづらく、穴も空きずらい、高価な生地。
伸びずらいので、体の動かない場所に使われることが多い。色は黒。
< プリントジャージ >
ここ数年流行りの柄物。迷彩っぽいカモや植物のようなボタニカルなど。
柄物はスーツにする際、デザイン的な問題で使えなくなる生地が多く出るため、価格は高めになる。耐久性は普通。
< グロッシーファイバー >
表面に光沢があり、カラーも19色ある。
カラフルにしたい人、動きやすさを重視する部分などに使われる。
耐久性は普通。
< スタンダードジャージ >
もっとも安価な生地。全体的に艶消しのようなカラーで、生地の目が荒いことが多いため表面が破けやすい。廉価版のドライスーツはこれが多い。
保温能力がスキルに影響する
内生地の種類には、
保温力が高まるもの、
抗菌防臭効果があるもの、
機能はないものとがあります。
< 保温性はスキルに影響する >
ドライスーツと言っても、スーツの種類により保温能力は格段に異なります。
ドライスーツの保温力を左右するのが中生地と、この内生地。
保温性でスキルやドライスーツのコントロールのしやすさに影響します。
ドライスーツ本体の保温力により、使用するインナーが変わります。
ドライスーツのスキルはエアのコントロールが一番難しいところ。
保温性の低いドライスーツでは、水温が下がりインナーを重ね着するとエアがスムーズに動かなかったり、厚手のインナーでは動きづらかったり、コントロールのしづらいドライスーツになります。
また寒がりな人だと着られるインナーの量には限りがあるため、潜れない時期が出ることも。
ドライスーツ本体が暖かければ、インナーを薄く出来るので動きやすく、水温が下がったときにも重ね着の余地があるので、寒がりな人でも快適に長い時期使うことが出来ます(*^^*)
< 関連ページ >
内生地の種類
< マルチエラステックス >
起毛素材で保温性が高く、肌触りが良く、滑るため着脱もしやすく、速乾性もある。高価。
< リブフレッシュP>
抗菌防臭効果のある生地。中~低価格帯のドライスーツに使われる。
< スタンダードジャージ >
機能は持たない。中生地だけでは破けやすいために、補強で貼られる。
ドライスーツが使えなくなるのは水没で
ドライスーツの寿命が来るというのは、どんな状態になることでしょうか?
それは「あらゆるところからの水没」です。
自分で初めて買ったドライスーツをインストラクターになってからも、しばらく使っていました。
ある時から、ピンホールなんていうものではなく、全身の縫い目から水没‥。
ここまで使うダイバーは稀だと思いますが、傷みが大きくなると水没を繰り返すことになり、不快ですし、修理代がかさむので結果嫌になって買い換えるというパターンが多いようです。
水没には生地に穴が開くものと、品質の問題で縫い合わせが上手くいっていなくて、股部などからの水没が治らないパターンがあります。
生地に穴が開くのは中生地が古くなると固くなってきて衝撃に弱くなったり、外生地が剥がれていき(剥離)、穴の開きやすい中生地が外に出てきてしまう等があります。
安い中生地は元々硬すぎて衝撃を吸収しづらかったり、柔らか過ぎて、すぐに水圧で潰れて薄くなり衝撃で穴が開きやすくなるなどがあります。
大量生産品とワールドダイブとの違いは?
生地の次に変わるのが作りの部分。
量販店のオリジナルドライスーツでは、通常首や股部にある補強がありません。
また、首がストレートに作られていますが、人間の首は少し前に傾斜しているので、着た際に違和感が出ます。
また、あるダイビングメーカーでは既製サイズだと、首のサイズも自分に合っていないので「新品なのに首から水没する」ということもありました(^_^)
< なぜ、量販店のドライスーツは安く出来るのか? >
安い生地を使い、デザインは2~3種類、色の変更は出来ない、既製サイズのみでサイズ展開も少なくする。
デザイン(カラーは固定)は男性3種類、女性2種類、サイズは男性S~XXLの7サイズ、女性7~13号の5サイズ。
サイズとデザインを絞り、作りを簡単にして大量生産をしておく。
ここに首と手首、ブーツだけゲストに合ったサイズのものを付ける。
安い生地でデザインを絞り、大量生産しておく。これが安く販売出来る仕組みです。
人間の体は同じ身長、体重でも体形は全く違い、既製品がジャストフィットすることはありません。
ワールドダイブでは既成のサイズで男性22サイズ、女性21サイズ、全てオーダーが入ってから国内工場での手作りです。
更に既成であっても、腹、尻、太もも、股下、腕の長さなど微調整をしてくれるので、着やすいドライスーツが出来上がってきます。
フルオーダー(¥25,000)にすれば、自分のサイズの型紙から作成し、完全にフィットする仕上がりになります。
一番安価なADL73Rは全身が黒でラインの色しか選べませんが、それ以上のモデルでは全身の色が選べるようになります。
デザインは通常のドライスーツで13種類(男女別含む)あり、カラーも自在に選べるので、世界に一枚だけのドライスーツを作ることが出来ます。
フィット性はスキルと使用年数に影響する
前項で自分の体に合うドライスーツという話をしました。
中には「えっ、ドライスーツってウエットスーツと違って緩いから合っていなくても平気なんじゃないの?」と思った方もいると思います。
実はドライスーツでも体に合っていたほうが圧倒的に使いやすいんです。
自分の体のラインに沿って適度な空間があるのと、ただ緩いのでは意味が違います。
ワールドダイブの既成サイズが多いといっても、すべての人に当てはまるものではありません。
全体的に緩いドライスーツであればデッドエアが多く、ウエイトが増えたり、空気のコントロールが難しくなります。
また一部にきつい部分がある場合。
例えばお尻だけきつければ下半身のエアが抜けづらく、これもコントロールの難しいドライスーツになります。
ウエットスーツほどではありませんが、サイズが合っていない部分があると太った時に着られなくなる確率が高くなります。
フルサイズオーダーであれば自分の体に沿って空間があるため、多少は体型が変わっても着られなくなることはありません。
実例では(太る部分にもよると思いますが)プラス7~8キロは平気だったというゲストがいらっしゃいました。
フィット性はスーツメーカーの腕の差が大きく出る部分。
採寸をした数字から立体に起こすのは、想像以上に難しいもの。
海でも明らかに合っていないドライスーツを見かけることがあります。
随分ダブつきがあって、コントロールがしづらそう‥(-_-;)
ワールドダイブのものはウエットスーツほどではありませんが、(特にフルサイズオーダーの場合)ダブつきもなく体のラインに合ったスッキリした仕上がりで、コントロールのしやすいドライスーツになります。
一度作ると全体的な直しは出来ませんので、せっかく既成品じゃないスーツを買うなら、必ずフルオーダーにすると良いです。陸の着脱でも水中のコントロールも圧倒的に差が出ます(*^^*)
自分に合ったドライスーツを選ぶには?
自分はどんなドライスーツを買えばいいのでしょうか?
これは「自分で買える一番良いドライスーツを買う」ことをお勧めします。
人により「ダイビング器材にかけられる金額」があると思いますので、性能を知った上でなら、安いドライスーツを選ぶことも選択肢の一つです。
経済状況や使う頻度で上限を設定して選んで下さい。
ドライスーツは生地の組み合わせにより、大きく分けると価格帯は4パターンになります。
*各項目をクリックするとジャンプします
② 保温性も耐久性も普通のドライスーツ 安い価格帯(¥138,000~180,500)
量販店のドライスーツを
お勧めするダイバーは?
量販店のオリジナルドライスーツをお勧めする方は‥
「経済的な余裕はないけど、ダイビングを沢山したいダイバー」
学生さんなどには良いのではないでしょうか?
サイズが合わなければコントロールがし辛いかもしれませんし、作りや生地からしても長くは使えないかもしれません。
しかし、それを承知の上なら、レンタルだと回数が多くなれば高くつきますし、社会人になって余裕が出来たら買い替えてもいいのではないでしょうか。
使いづらさは若さと自分のスキルでカバー!
ただ、ダイビングショップの販売価格によってはワールドダイブのスーツが視野に入るかもしれません。
ワールドダイブで一番安価なADL73Rは¥138,000。
製品的なクオリティーの高いワールドダイブ製で、圧倒的にダイビングはし易いと思います。
「経済的な余裕はあるけど、頻度が少ないから安いのでいい」というダイバーの方。
こういう方はレンタルドライスーツでいいんじゃないでしょうか?
量販店オリジナルは体に合わない可能性が高いので、レンタルで合わなくても同じですし、レンタル代が高くないダイビングショップであれば、しばらく借りることが出来ます。
また、自分のスーツであれば持ち運びやダイビング後に干したりする手間もありますし、水没の修理や、バルブのオーバーホールなどの料金もかかります。
価格を抑えて個性は出せるドライスーツ
ウエットスーツの生地を使ったADL73R(¥138,000)からプリント柄を使ったDCDシリーズ(¥180,500)まで。
ADL73Rより上は生地が同じで違いはデザイン。
プリント柄を使ったり、デザインが複雑になると作成行程が増えるので、価格が上がります。
「価格は抑えめ、個性は出したい、ワールドダイブ品質を」というダイバーにお勧め。
このタイプのドライスーツを選ぶ方で「冬でも潜りたい」「寒がり」な場合は、少し大きめに作って、温かいインナーを着るという方法があります。
薄着をしている時は若干コントロールがしづらくなりますが、インナーが限られて寒い思いをしたり、潜れる期間が制限されるよりは使い勝手が良いと思います(*^^*)
暖かさなら最上級モデルと変わらない!
内生地が起毛素材のマルチエラステックスを使用、外生地はカラフルなグロッシーファイバー。
暖かさは最上級モデルにもひけは取りません。
外生地が強くないので、ピンホールの可能性や耐久性は②のモデルと同じ。
しかし、温かい内生地のモデルは前述の通りインナーを薄く出来るので動きやすく、寒い時期には重ね着するスペースもあります。
「暖かさとデザインを重視するダイバー」にお勧め。
ZE19(¥219,000)やプリント柄や非対称柄の個性的なDCDシリーズのエラステックスモデル(¥220,000~222,000)*1がこのラインです。
最高の性能を求めるなら
外生地には丈夫なものが使われ、内生地は温かいエラステックス。
価格帯は最上級モデルのMDX1(¥293,000)から男性モデルのZMD1や女性モデルのLSR50(¥238,000)がここに当たります。
中間価格帯以下ではオプションになっているリストバルブDS*1(¥16,000)が標準装備なので、価格差はその分縮まります。
*1 肩の排気バルブと別に腕の先にある小さな排気バルブ。水中でのエア抜きが圧倒的にしやすい。
この価格帯の中での差は丈夫な生地が使われている範囲。
MDX1ではほぼ全身が丈夫な生地で覆われ、LSR50では下半身の正面と裏の一部がラジアル。
使用している生地により、このクラスの中でも耐久性は分かれます。
このクラスのドライスーツをお勧めする人は、
「全てに最高の性能が欲しいダイバー」
外生地が丈夫なモデルは圧倒的にトラブルが少ない。
ピンホールの可能性が少なく、修理代もかかりませんし、水没で不快な思いもしません。
そして、使える年数が長い。
違いを知って、自分に合った一着を選ぶ!
使う生地、作り、メーカー(技術の高さ)で変わります。
安いドライスーツは性能が低く、使用出来る年数が少なく、トラブルに合う確率は高い。
体に合っていないスーツでは水中コントロールが非常に難しくなります。
高いドライスーツは性能も耐久性も高く、トラブルに合う確率は少ない。
フルオーダーなら水中コントロールがしやすい。
価格は安いのに高性能のお買い得品は、程度の差はあれありません。
違いを知った上で、自分で買える一番良いスーツを選んで下さい。
違いをきちんと知っていれば、自分が選んだドライスーツの良い面も悪い面も理解が出来ると思います。
長くダイビングを楽しんでいけると思う人で、良いドライスーツを購入出来る人は、良いものを選んで下さい。
10年20年とゲストを見ていると、結局このパターンが一番後悔が少ないようです。
最初に安価なドライスーツを買った方は、次に購入する時には良いドライスーツを選んでいます。
ただし、メーカーによっては「安くないのに性能は低いドライスーツ」はありますので、メーカー選びは慎重におこなって下さい。
名指しは出来ませんが、OEM品に多いのではないでしょうか?
ワールドダイブ、モビー、ZEROなどスーツを主に作っているメーカーは良いのですが、勧められたメーカーが、自社でスーツを作っていない場合には性能にご注意が必要です。
購入する店舗で「メーカーが自社で作っているか?OEM品(外注品)か?」を聞いてみてください。
ドライスーツは性能差が大きいので、上記のような内容をきちんと説明してくれるダイビングショップで購入することをお勧めします。
お気軽にお問い合わせください
03-6276-5758
電話受付時間 :12:00~19:00(お問い合わせフォームは24時間受付)
*留守番電話になりましたら、お問い合わせフォームよりご連絡をお願い致します。
(電話番号が履歴に残りません)
定休日1~4月:水、木曜日・不定休があります