5月13日(土)は西伊豆・獅子浜ダイビングツアー。
この日は先月ダイビングライセンス取得講習を終えて、初のファンダイブ兼ドライスペシャリティーのお客様たち。
水中に慣れて頂き、こちらからのアドバイスに反応してもらえるようになってもらいスキルを上げていく。
初心者の方の最初の課題になる中性浮力は、適正ウエイトが決まらないと覚えることが出来ない。
適正ウエイトは主に潜降速度で見ているけれど、正しい潜降が出来なければそれも分からない。
体の一切の動きを止め、
BCとドライスーツからエアを抜き、
潜降用の長い吐き方をしながら降りてもらう。
ドライスーツのエア抜きも、バルブの向きが悪かったりして、なかなか覚えるのは難しい。
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獅子浜はアカオビハナダイやサクラダイが多い。
普通アカオビよりキンギョハナダイの方が多いけれど、ここの海では逆だ。
時々、お客様から「水中で紹介される魚とされない魚の区別が分からない」と言われる。
うーん、確かに。
当然見て欲しい魚を指さすのだけれど、伊豆には多くの種類の魚がいて、普通種でもきれいな色合いのものも多い。
そこで最近は少し普通種もご案内することにしている。
本日はアカササノハベラとホシササノハベラ。
この二つはもともと一種類だとされていて、
アリエスにある1997年刊行の図鑑「日本の海水魚」では、この二種は変異と扱われている。
それが、同じ年に別の種類であることが判明したらしい。
ベラは雄と雌で大抵色彩が違うので、そんなところも覚えて見分けてもらうと楽しいと思う。
この日はテクニカルダイビングを専門としている先輩インストラクターに会ったので、色々と器材の話などを聞いてみた。
自分達がやるレクリエーションダイビングでも、もちろん器材は重要だけれど、テクニカルではもっとシビアだ。
器材に起因する事故などの情報も聞けるので、いつも勉強させてもらっている。
そんな中で、こんなことを言われた。
「ダイビング先進国の中で、日本のダイバーのレベルが一番低い」と。
まあ、それはそうだろうなぁ。
「垂直潜降を教えていないダイビングショップがある」と言ったら、
「マジッ?」と笑っていた。
前回のブログでも書いたけれど、本当にいい加減な教え方をしているインストラクターやダイビングショップが増えてしまった。
既に、特にリゾートなどで大きな問題になっていて、いずれは自分たちの首を絞めることになるのに彼らは何も感じないのだろうか?
まあ、金儲けには興味があっても、質になんて興味ないか( ̄д ̄)
休憩中に、お客様には事故例などの話をしていた。
その中にはアドバンスの講習中にロープを使わずに潜降して、死亡した例などもお話していた。
そして、二本目。
ドライスーツ講習の「浮いていってしまったのを止める練習」をしている時に、
一人のお客様が適切にエアを抜けず、浮いて行ってしまった。
浅い深度で行っているので、これ自体は問題にはならない。
が、少し経ってもブリーフィング通りに戻って来ない。
そして水面で探しても見当たらない。
少し水中を探したが、泡も見えないので、残りのゲストと浮上し、
現地サービスに伝えるためにエキジット口に到着すると、遠くにお客様の姿が見えた。
落ち着いてから、一人になってからの行動を聞くと、こんな感じだった。
1.浮いたあとフリー潜降をした。
2.自分では垂直に沈んでいるつもりだったが、降りたところが深そうで、急傾斜だった。
3.斜面を伝わりながら浅瀬に移動して浮上した。水面から自分を水中で探しているスタッフの姿が見えた。
このことを通じて、ブログを読んで頂いている方に、事故に遭わないようにお伝えしたいこと。
まず、1と2。
ブリーフィングでは「ロープを見ながら潜降してくださいね」となっていた。
フリー潜降は上達の第一歩なので、よほど透明度の悪い時以外は、これを練習していかないとならない。
が、初心者の方は潜降に集中しすぎて、潜降ポイントからずれていても気づかないことが多い。
ずれるのは、フィンが動いてしまっていることに原因がある。
この日、水中には僅かな流れがあった。
流されていること、潜降ポイントからずれていることを認識する為に、「ロープという指標」を使う。
ロープ関連で言うと、初心者に限らず、「必要なところでロープを離してしまう」という例はある。
ボートダイビングで流れがあるのに、潜降ロープを途中で離してしまい、ブイ下まで全力で泳ぎ、エアを減らしてしまう。
「水深10mに集合」とブリーフィングで言っていて、ロープを離したばかりに、深度コントロールが出来ずに落ちてしまい、エアとNDLがなくなる。
3.については「迷子になった時は直浮上」が基本。
その方がチームと離れている距離が短くなる。
特に傾斜が緩かった場合は、かなりの距離があいてしまい、波があったら見えないかもしれない。
ただ、獅子浜や大瀬崎の先端みたいな急傾斜の場合は、斜面を伝わりながら浮上するのも有効かもしれない。
まだ浮力が取れないダイバーなら水底沿いに移動出来るし、
沖に上がって流されてもいけない。
これは地形に合わせて変える必要がある部分だと思った。
ダイビングの本当の上手さには、「ブリーフィング通りに動ける」というのがある。
普通に話していることでも、トラブルにならないための重要なことが含まれている。
ブリーフィングには「水中で私より前に行かないでくださいね」というのがあるが、
これも守られないことがある。
前に出られると、ナビゲーションの妨げになるし、前に出た段階でバディシステムが守られていない。
事故例ではロストから起きているものも多い。
バディシステムさえ守られていれば、防げる事故も多いだろう。
ダイビングの上手さは身体的スキルだけではありません。
今一度、自分がブリーフィング通りにダイビングが出来ているかを見直してみてください。
安全に終えてこそ、楽しいダイビングですので。
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<アリエスはダイビングを上達したいダイバーのためのダイビングショップです>
ダイビングを本当に楽しむために必要なのは、
<本当の上手さ>と<生物を見る楽しさ>だと、アリエスでは考えています。
上手くなれば同じ海に潜っても見られる生物はまったく違い、安全性も高くなります。
「上達して、その先にある水中風景を見て欲しい」
ダイビングはただ本数をたくさん潜っても上手くはなれません。
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