インストラクターが考える本当の上級者ダイバー

何百本と潜っていて、きれいな中性浮力が取れていたり、強い流れの中でも自在にコントロールが出来ていたりすると、周りのダイバーからは「あの人、ダイビング上手！」と言われたりします。

しかしインストラクターから見ると、その中にもせっかくダイビングスキルが出来ているのに”残念なダイバー”がいます。

例えば‥

ガイドを追い抜く、違う方向に勝手に泳いでいく。

▶　「自分はダイビングが上手だから大丈夫！ガイドも確認しているし、いつでもチームに戻れる！」とばかりに、あっちに行ったり、こっちに行ったり。

大抵常連さんなので現地のガイドも注意はしませんが、実は非常に迷惑‥(#･∀･)

いついなくなるかヒヤヒヤしますし、ゲストが1つにまとまっていれば、人数確認も早く安全性も高くなり、時間を生物を探すことに使えますが、余分な時間も神経も使います。

みんなが、こんなダイバーだったらどうでしょう？

とてもダイビングになりません‥(^_^;)

魚の見方を知らず、独占したり、引っ込めたり、散らしたりする。

▶　神子元でハンマーヘッドを追い掛け回し、ちらす。他のダイバーがやると怒る‥(^_^;)

▶　がんがんハゼに近づき、他のダイバーが見る前に引っ込ます。更に巣穴の上を通って破壊していく‥(-_-;)

グループ意識がない、バディがいなくなっても気づかないし、気にしない。

▶　振り返ると一人足りない。バディに確認すると初めていないことに気づく。

凄い人だとバディがいなくなったのに「下手だから浮いていったんだね！」と気にしない。

＊インストラクターやガイドには監督責任があります。また、最終的にダイビングはオウンリスクでやるもの。しかし、前を向いているガイドより、横にいるバディがトラブルに気付いてあげられれば、全体の安全は飛躍的に高くなります。

安全やトラブルに対する意識が低い。

▶　「いつもと一緒でしょ！」とばかりにブリーフィングを聞かず、ミスを犯す。

すごい人になるとミスしたこと自体に気づかない。

▶　「流れが出るかもしれないのでロープに掴まって潜降」と言われているのに「ロープに掴まるのは初心者！」とばかりにロープを離して流される。そして、自力で戻って来るが、エアが減っている‥。

▶　ダイビング器材のメンテナンスがされていなくてトラブルを出し、周りのダイバーに迷惑をかけてしまう。

などなど、あげたらきりがありません。

上級者にはダイビング本数もあまり関係がありません。

参考になるのは本数が少ないうちだけ。10本のダイバーよりは100本のダイバーの方が上手です。

しかし、200本のダイバーより300本潜っているダイバーの方が、必ず上手いか？と言われれば、そんなことはありません。

基本的なダイビングスキルが上手なうえで、インストラクターが「この人、ダイビングを分かっているなー」と思うダイバー。

それは、ダイビングの全てに対して「何をして良いか、何をしたらいけないかを分かっているダイバー」です。

ダイビング中だけではなく、ダイビング前と後の行動もしっかりしていてマナーもいい。

インストラクターが考える＜本当の上級者＞は、限られたダイバーしかなれないような難しいことは一つもありません。

今はまだダイビングスキルが未熟な段階であっても、今から知識を付け、意識をしていけば、ダイビングスキルが上達したころには本当の上級者になっています。

「日本のパラオ」「最後の秘境」と異名をとり、難しい海と言われるトカラのベテランガイドさんが、こんなことを言っていました。

「400本くらい潜っていてもブリーフィングを理解できず（守らず）勝手な行動をするダイバーより、100本でも中性浮力が取れて、ブリーフィングが守れるダイバーの方が良い」

このようなダイバーが、ダイビングを仕事にしている人から見る”上級者ダイバー”です。

いかがでしょうか？

皆さんの周りに”本当の上級者ダイバー”はどの位いるでしょうか？

今回あげた例は、上級者ダイバーに必要な知識や意識のほんの一部です。

しかし、考え方はダイビングの全てに対して「何をして良いか、何をしたらいけないか」を分かっているダイバーであること。

それには、ダイビングスキルをマスターしたうえで正しい知識と意識、マナーが必要です。

これを全てのダイバーが身に付けることで「安全に楽しくダイビング」が出来ます。

覚えることは数多くあり、短期間で覚えられるものではありません。

アリエスでは常に全てのダイバーに”本当の上級者”になってもらえるように、少しづつお伝えしています。

上級者ダイバーになるには、基本的なダイビングスキルありきなので、「まだそんなレベルじゃない！」という初心者～中級者の方は＜ダイバーのスキルの悩み＞から見てみてください！

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