「講習(オープンウォーター)を受けたから、次は講習じゃなくて、ファンダイビングがいいです!」という声を聞くことがあります。
Cカード取得後、ドライスーツのスペシャリティーなどをお勧めすることがあるためです。
ファンダイビングは「ダイビングが出来る人」が参加するもの。
オープンウォーターの講習で、「潜降が出来ない」「中性浮力が取れない」「途中で浮いてしまった」等があるなら、まずは普通に潜れるようになることが先。
そのために必要なのがアドバンスやスペシャリティー等の継続教育です。
これを受けることで結果的に早く上達し、もっとダイビングが楽しめるようになります。
では、どんな講習を、どのタイミングで受けていけば良いのでしょうか?
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年に一度でもダイビングは出来る?
ダイビングライセンスを取得する前のゲストの中には「年に一度リゾートで潜れれば良いです」という方もいらっしゃいます。
しかし現実的には「運転免許を取ります。年に一度海外でレンタカーを借りて運転します」というと変わらないので、とても危なくて免許の取得自体がお勧めできません。
実際にダイビングライセンス取得コースに参加すると、4本ではダイビングをするために必要なことを完璧にマスターするのは不可能です。
セッティングを間違える、潜降も出来ない、中性浮力が取れなくて常にフィンキック、ゼィゼィしてたらエアがなくなった‥。
そんな状態だったら、とてもダイビングを楽しめません。
指導団体も4本で満足にダイビングが出来るとは思っていないので、継続教育というものがあります。
また、もう少しレベルが上がっていったとしても、パラオや与那国等で行われるドリフトダイビングには技術と知識が必要ですし、スキルの差が出やすく、漂流のリスクもあります。
まずはアドバンスを受けてみる
オープンウォーターを取得したら、次にでも受けて欲しいのがアドバンスコースです。
「オープンウォーターで慣れてからアドバンスを受けたほうが良いんじゃないの?」と言われることがありますが、基本ダイビングスキルが身についていない方は講習を先に受けたほうが良いです。
ダイビングがきちんと出来ない内はスキルに手一杯で楽しめません。
アドバンスは5本のダイビングで取得できますが、必須ダイブの2つ以外はダイビングショップが独自に決めています。
アドバンスを取得する大きなメリットは潜れる深度が最大30mになること。
この位の深度まで潜れないと行けるダイビングポイントが少ないですし、深度幅が増えることで中性浮力の練習にもなります。
ドライスーツを使っている場合には、ドライが使えないと中性浮力の練習も出来ないので、ドライスペシャリティーを受けるか、アドバンスコースに組み込むのがお勧めです。
マスターしたい中性浮力
ダイビングライセンスを取得して、セッティングやバディチェック等基礎的なことが出来るようになったら、とにかくマスターしたいのが中性浮力。
ドライスーツスペシャリティーも受けた、アドバンスも取った。
それでも中性浮力が心配な方は、PPBを受けて下さい。
アドバンスを取れば最大深度が大きくなるので、ボートダイビングのポイントも増えます。
(注*講習で行った範囲内ならオープンウォーターでもボートダイビングは出来ます)
流れが怖くなるダイバーもいる
必要な講習であったとしても、受講するダイバーのレベルというものがあります。
必須なスペシャリティーとしては、ドリフトやディープがありますが、ドリフトはあまり流れが強いと恐怖を感じてしまうダイバーもいますし、ディープも中性浮力がある程度は出来ていないと難しい。
中性浮力がきちんと取れていないなら深いところに行くべきではありません。
とにかくスペシャリティーを沢山販売したがるお店もあります。
価格と中身が伴い、ゲストが希望すれば悪いとは思いませんが、なにか課題を持ってそこに集中するより<まず身につけるべきは中性浮力>と考えています。
初心者のうちからカメラを持ったり、勧めるダイビングショップもありますが、初めは持たないほうが良いと思います。
安全意識の低いスタッフもいる
アドバンスを取得すると最大深度が30m、ディープスペシャリティーを取得すると最大深度は40mになります。
この話をした時に「オープンのCカードしか持っていないのに深く潜らしてくれた」と言われたことがあります。
それはゲストにとって良いことだったのでしょうか?
問題なのはスタッフの安全に対する意識です。
パディではダイビングライセンスの資格は「自分が講習を受けた海と同等か、それ以上良いコンディションの時に潜れる」となっています。
18mしか潜っていないダイバーを、それ以上の水深に連れて行ってはいけないのです。
もちろん、19mに潜ったから急に危険か?というと、そんな事はありません。
でも、30mだったら危険かもしれません。
窒素酔いが強く出たり、急にエアが早く減る人がいたり、浮力調整も浅い所とは変わるためです。
また、同じ18mでも水底がなければ中性浮力が取れないダイバーには危ないかもしれません。
ダイビングライセンス取得コースの時は、水底が18m以上の場所では講習をしていないはずです。
中にはゲストを楽しませたくて基本ルールを破っているスタッフもいるでしょう。
自分の身を守るのは自分
自分のレベルよりも深い所に潜らせてくれるのを「サービスしてくれた」と感じてしまうゲストダイバーも中にはいるようで‥。
問題なのはガイドをする側の安全意識。
トレーニング深度を守るガイドと守らないガイド、どちらが安全なダイビングをするでしょうか?
ダイビングでは深度の他にも、NDLや浮上速度、飛行機までの搭乗時間、バディシステムなど守らなければいけないことがいくつもあります。
1つを守らなくなると、どんどん守らなくなっていってしまうものです。
自分で判断や対処が出来るような技術や知識が身に付くまで、信頼の出来るスタッフと潜るようにして下さい。
最終的にダイビングで自分の身を守れるのは自分しかいません。
上記の講習の受け方に関してはアリエスとしての考えで、これだけが正しいということではありません。
良いダイビングショップと出会い、安全にダイビングを楽しんで頂けたらと思います(^^)
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