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先日の北川ツアーでスタッフ(=インストラクター)ですら安全管理が出来ていないという事実に驚き、あらためて<ダイビングコンピューターの正しい使い方と減圧症の関係>というブログを書いてみようと思いました。
スタッフの考え方は、当然一緒にダイビングしているゲストも同じように行動するようになる可能性があります。
また、ダイブコンピューターを間違って理解しているダイバーは意外と多いもの。
これを読んで頂く皆さんはいかがでしょうか?
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そんなこと知ってるよー、と思われたダイバーの方もいると思いますが、ダイコンを持っているのに「NDLってなんですか?」と聞かれることがあります。
前出のダイバーの方は持ってはいるけれど、見るのは水深やダイブタイムで、主にログ付けで使用しているそう。
ダイブコンピューターは言うまでもなく、減圧症の予防に使うものです。
そしてNDLとはダイブコンピューターでもっとも重要な数値。
NDLの詳細はダイビング用語集に書いたので、そちらを参考にしていただくとして、NDLとは「今の水深に、あと何分間いられるか」を表している数値。
*ダイビング用語集<NDLとは?>
ダイブコンピューターの使い方でよくある間違いとして「NDLが1分でも残っていれば大丈夫、DECOは出してはいけない」というのがあります。
「ダイブコンピューターが後1分大丈夫と言っているんだから、これを守っていれば減圧症にはならない」というような考え。
実際には表示上の違いだけで、NDLが1分なら体に溜まっている窒素はデコが出た時と大差ありません。
以前、与那国の40mほどのところでヘルフリッチを見ている時に、横にいたダイバーがバタバタと急ぎながら浮上して行くのを見たことがあります。
あとで聞いたところによると、「NDLが1分になったので、びっくりして浮上した」とのこと。NDLの1分を守るために急いで浮上したのです。
これはデコを出すよりよっぽど駄目です‥(-_-;)
減圧症になる要因は様々ありますが、代表的なのが「過剰な窒素 ☓ 速い浮上速度」というもの。
減圧症を防ぐために「窒素を溜めすぎない」というところに意識が集中しすぎて、「速い浮上速度が窒素を気泡化させる」という大事な点が抜けています。
ダイコンには<浮上速度警告>が付いていて、多くのものではアラームで教えてくれます。
では、デコストップは絶対に出してはいけないのでしょうか?
減圧症の観点からいえば出さない方が良いです。
NDLもぎりぎりではなく10分程度残しながらダイビングすれば更に安全です。
もっと言えばダイブコンピューターは補助として使い、ダイブテーブルで潜るのがもっとも安全ですが、水深30mだとトータルで20分しかダイビングが出来ません、これで実際に楽しいダイビングが出来るでしょうか?
ディープダイビングは目的があって行うもの。
アリエスでも原則DECOは出さないようにダイビングをしていますが、年に2回ほど出そうになったり、出たりすることがあります。
1つは与那国島のハンマーヘッドシャークを大深度で追う時。
2つ目は柏島で水深40m近くでスジクロユリハゼを見に行く時。
40mの水深ではダイブテーブル上のNDLは9分。
こういったダイビングを避けようと思うと、見れない生物というのが出てきます。
出さないにこしたことはありませんが、ある目的を達成するためにある程度は許容しています。ただ、この考え方には当然賛否があると思います。
そして、同じデコストップでも、深度により危険度が違うのは知っているでしょうか?
「NDLの残りが1分になった」
深度により危険度に違いがあるのをご存知でしょうか?
ダイブテーブルで見ると、水深40mの時にNDLが残り1分であれば窒素レベルはF。
では、水深20mで同じ条件だと窒素レベルはRとなり、格段に窒素レベルが高いことが分かります。
以前は< NDLが少ないこと = 減圧症のリスクが高い >
< 大深度に行くと減圧症のリスクが高い >という認識が多かったですが、最近は窒素量に注目するようになりました。
大深度では窒素は早く溜まるけれど、早く抜ける。
中間深度ではエア持ちもよく、NDLが長いので、深いところよりも危険の認識が少なくなりがち。
ここに着目して開発されたのがTUSAのM値警告機能付きのダイブコンピューターです。
NDLでカバーしにくい中間深度で、過剰窒素を知らせる機能になっています。
ちなみに窒素が早く抜けるといっても「深いところでDECO出たけど、もっと長くいても平気なんだ」ということではなく、大深度にいれば急速に窒素はたまり、エアの減りも早いのでご注意を。
まずNDLがなくなり、デコストップが出るとダイブコンピューターの表示が変わります。
ゲストダイバーの中には「何だか見たことのない表示になって焦った」という方もいるので、事前に使用説明書で、どんな画面になるのか確認しておきましょう。
一般的に<DECO>と表示され、浮上を示す矢印や<3m・ 1min>という案内が出ます。
これは「NDLがなくなりましたよ。3mまで浮上して、1分間停止してください」というもの。
1分程度のデコストップであれば、浅場に移動して行く途中で消える時もあります。
< DECOが表示された時の対処方法 >
1.最初にガイドやバディにデコストップが出たことを伝える。
浅場に移動したい意思を伝えてください。一人で勝手に上がるのは、はぐれるなど二次トラブルを起こしてしまいます。
2.ゆっくりと浮上する。
焦る気持ちもありますが、浮上速度はゆっくりと。速い浮上はかえって減圧症になりやすくなってしまいます。
ダイコンによっては深度により浮上速度が変わるものもあるので<SLOW>表示が出ないスピードで上がりましょう。
3.ディープストップを行う。
これは効果の賛否がありますが、大深度から直接3mに行くのではなく、最大深度の中間で1分程度とどまって、窒素を抜けやすくするというもの。
4.コンピューターの指示深度で減圧停止をする。
安全停止などで、明らかに深いところで停まっているダイバーがいますが、減圧停止の場合、指示深度でないと、いつまでもデコストップが消えません。
減圧停止が終われば通常の画面に戻ります。
5.デコストップは決して無視しない。
減圧症になりやすくなる以外にも、最初は少ない停止時間もあっという間に長くなり、エア切れの可能性が出たり、ドリフトダイビングでは浮上ポイントを過ぎてしまったり、漂流してしまう可能性もあります。
またデコストップを消さずに浮上すれば、ダイブコンピューターにロックが掛かり使用できなくなります。
*ロックがかかったダイビングコンピューターを再び使うには、機種によりメーカーにロック解除を頼むものや、時間が経つと解除されるものなどがあります。
酸素があれば吸い、その後は窒素の管理が出来ませんのでダイビングは終了、減圧症の症状が出ないか注意深く見てください。
*24時間が経過し、減圧症の症状が見られず、ダイブコンピューターのロックが解除、または新しいダイブコンピューターがあれば、次のダイビングをすることも可能です。
ダイビングをする限り100%減圧症を防ぐことは出来ません。
一度減圧症になると、症状が治りダイビングを再開したとしても、また減圧症になる確率は高くなります。
また、症状の度合いによってはダイビングをやめれば済むという問題でもなく、飛行機に乗ったり、高い山に登っても痛んだり、日常生活をしているだけでも痛み続けたりと支障が出てきます。
ただ、きちんとした知識を持ってダイビングをしていれば、減圧症になる確率というのは非常に僅かなものです。
一番大きな要因としては前述した< 過剰窒素 ☓ 速い浮上速度 >ですが、
他の要因としては潜水パターン、ダイビング前後とダイビング中の行動、ダイビング前後の飲酒、脱水症状、疲れ、寒さ、不健康、肥満、体調不良、加齢など様々あります。
知識を付けて自分を守れる部分もありますし、潜水パターンなどガイドによる部分もあります。
ダイビングショップや現地サービスを選ぶ際に、減圧症だけに限りませんが、安全性への意識が強いお店を選んでください。
お店を選ぶにも自分の知識がないと選べませんので、自分で学んでいくことも重要です(^^)
2018年2月26日(月)
3/1(木)~4(日)まで与那国ツアーのため、店舗休業となります。
ご不便をお掛けしますが、宜しくお願い致します。
アリエスは中野区近くの渋谷区にあり、2駅で新宿区と世田谷区、杉並区からも近くのダイビングショップです。ダイビングの事なら何でもご相談ください!
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