家電製品なら同じものを買うなら安いほうが良いですよね?
ではダイビングショップの場合、ダイビングスクールやダイビングツアーはどこでも同じで安いほうがお得なのでしょうか?
形のある製品を買うのと違い、人が行うソフトの部分が大きいダイビングでは質にかなりの差があります。
例えば女性の方は、どんなに安くても”いつも¥1,000カットで髪を切っている”という人は少ないのではないでしょうか?
それは質を気にしてのことだと思います。
人間が生きられない水中に行くというのは、想像以上にスタッフの質が重要です。
安すぎるダイビングショップの中にはダイビングに対しても、サービス業としても相当まずいお店もあります‥(-_-;)
ゲストダイバーに不利益な部分はいくつかあるので、それを順にご説明して「ダイビングショップ選びを失敗して嫌な思いをした!」ということがないように参考にしてもらえればと思います(^^)/
< 目 次 > *各項目をクリックするとジャンプします
▶ 上達が出来ない
都市型ダイビングショップの価値とは?
ダイビングショップとしての本来の価値とはなんでしょうか?
ゲストダイバーと海に潜っているプロダイバーにはガイド(=案内人)とインストラクター(=指導員)がいます。
大きく分けると海辺の近くのダイビングサービスの人はガイド色が強く、都市型ダイビングショップではインストラクター色が強いです。
都市型ダイビングショップではツアーに行く時に車の送迎があってダイビングが続けやすいと同時に、指導員ですから<ダイビングが上達できる>という部分が大切です。
例えば「潜降できない」と言った時に「原因を考えずにウエイトを足すだけ」だったり、ゲストのレベルに合わない海(ブランクなども含め)にも関わらず連れて行ってしまうなどがあれば、要注意です。
適切なアドバイスをして上達することは、
< 安全にダイビングを楽しむ >
< 色々なダイビングポイントで潜れるようになる >ために重要で、
安さで勝負のダイビングショップ
ダイビングが上達できるという要素がなく、ガイドだけなら毎日同じ海でダイビングしているガイドさんと潜ったほうが沢山の生物を見せてくれます。
みなさんの会社で「仕事量は同じで給料だけ下がる」と言われたら嫌ですよね?
インストラクターやガイドも同じで「同じ仕事なら給料(または利益)が高い方が良い」です。でも、質で勝負が出来ないなら、あとは価格を落として集客をするしかありません。
ある安さ勝負の都市型ダイビングショップの話。
ツアー代も安く、レンタル器材も無料、海で会いますがお客様も多い。
お客さんが多いのは羨ましいですね(笑)
そのお店で潜ったことのあるダイバーが、エアが切れそうになった時になんの合図もなく、自分のレギュレーターを取られて、びっくりしたそうです。
普通はオクトパスを差し出して、エアが少ないダイバーが自分でオクトを持ったあとに、レギュを外すものです。
また、同じ店で別の方の話。
マンツーマンでツアーに来ているのに、
「迷子になったら自分で浜まで戻って」と言われたそうです。
ゲストがいなくなった後、インストラクターはなにをするんだろう?
「迷子になった時は水面で集合する」というのが原則です。
内容が内容なので、にわかには信じられないのですし、お客様の主観もあると思います。
ふと思ったのは、みんなに同じことはやっていないのでは?
ここからは私の推測にすぎませんが、
「自分と相性の悪いゲストは意図的に来させないようにする」のかな?と感じました。
安さで勝負していますから、お客様は沢山きます。
これがスーパーマーケットならいくら多くてもありがたいのですが、ダイビングツアーでは連れていける人数には限りがあります。
限りがあるなら自分と相性が悪い人はいらない、そんなところかなと思いました。
なににせよ、質としてまずいですね。
最後に<上達のためのアドバイスをする>というのはインストラクターとしての技術も必要になり手間もかかります。
ある程度潜れるダイバーで安さを求めるのであれば、安いお店に価値があるかもしれませんが、初級者の方は上手くなるまでは、安全のためにも、きちんと教えてくれるインストラクターと潜ったほうが良いと思います。
安全管理はスタッフの体調管理から
すべての職業で同じですが、ダイビングショップでも適正な利益が出ていなければお店を維持することは出来ません。
ホームページを見てダイビングツアーやスクール、ダイビング器材など「すべてが驚くほど安い!」場合にも、どこかで利益を出さなければなりません。
安すぎるダイビングツアーを開催しているダイビングショップの中には安全性に疑問のあるお店もあります。
バスツアーの事故などで問題になりましたが「あまり安いと、どこかで無理をしている」ものです。スタッフの疲労や、保険の有無など。
以前、大阪や沖縄で起きたダイビング死亡事故の例を見ると、大阪では空気の少なくなったタンクの使い回し、沖縄では通常¥15,000の体験ダイビングをキャンペーンで¥9,800で行っていました。
大阪の件は論外として、沖縄の例でも利益を出すために、スタッフが酷使され、注意力が散漫になっていた、または重労働でスタッフの入れ替わりが激しく、経験の浅いスタッフが担当していたのかな?とも考えました。
ある都市型ダイビングショップの例。
こちらも安さで勝負のお店でブログを見ると、毎日のように海に出ています。
ほとんど一人でやっていて、私よりも年上の方なので、その体力に感心します。
以前、西伊豆の現地ダイビングサービスが東京までの帰りの送迎が無料というのをやっていました。
スタッフはガイドをした後に東京まで運転をする。
ゲストにはうれしいサービスだったかもしれませんが、結局あるスタッフが疲労から居眠り運転をして、事故を起こしてしまいました。
ゲストを降ろした後で、本人にも大したケガがなかったので良かったのですが、一歩間違えれば大事故でした。
都市型ダイビングショップのもっとも疲れる仕事は”運転”と言われますので、スタッフの人数が少なく、あまり海に行く頻度が高い場合は、運転での事故が心配です。
安すぎるダイビングツアーは
ゲストも大変?!
安すぎるダイビングツアーを行っているダイビングショップでは様々なコストダウンの方法があります。
1つは<高速道路をなるべく使わない>方法
伊豆などでは高速道路を使わないと山道を多く走ることになり、時間も余分にかかるので車に弱い方にはかなりの負担です‥(^_^;)
他にも大手都市型ダイビングショップでは、各店を経由してコストダウンする方法があります(そのお店はツアー代はまったく安くないですが…)
例えば千葉から出発して、東京、横浜と周るなど。
スタッフ一人で車も1台、交通費も1回で済むので大幅なコストダウンになります。
ダイビングツアーの適正価格を知る方法
都市型ダイビングショップが伊豆などに行くダイビングツアーの相場(適正価格)はいくらなのでしょうか?
この適正価格から、あまりはずれている場合は問題がありそうです。
適正価格は、そのダイビングショップが使っている経費によっても大きく変わるので、店舗が大きい、スタッフが大勢いる、広告を沢山出していると価格も上がってきます。
参考となるのが現地ダイビングサービスの料金。
例えば東伊豆で2ビーチダイビングだと¥12,000というところが平均的です。
現地ダイビングサービスは交通費もなく、車の維持費が圧倒的に安いので、この料金できちんとした利益が出ます。
対して都市型ダイビングショップでは、駐車場代なども高く、店舗の場所や車によっても大分違いますが、ガソリン代と高速代だけでも¥12,000~13,000位はかかります。
ここに車の購入費や維持費もありますので、まとまった人数で行くにしても、あまり安すぎるダイビングツアーを開催している場合には、他に利益が出る仕組みになっていると思います。
また「ホームページを見るとダイビングツアーが安い!」と思っても、それは開催人数が2名や4名で人数が少ないとアップ料金が高かったりします。
自分がダイビングツアーに行くのが、人の集まりづらい平日なのか、集まりやすい暖かい時期の週末なのか、行きたいダイビングポイントがあるかなど、自分の希望に合わせてダイビングショップを選んでみるといいかもしれません(^^)
人数が多いと何が変わるのか?
安い料金でファンダイビングを開催していれば、一回に多くの人数を集めないと利益が出ませんし、安ければ多くのゲストが集まる傾向にあります。
ワイワイして行くのは楽しいのですが、一人のスタッフが6人見るのか、4人見るのか?では当然水中での安全性が変わってきます。
使用している車によっては車内の快適性にも差が出るかもしれません。
また「初心者が多い」というお店なら、潜降させるのにも時間がかかり、途中で浮いていくダイバーがいたり、人数が多くなると「潜れないダイバー」がいる確率も増えます。
生物を見るのも人数が多いほうが、自分に周ってくるまでに時間がかかったり、見る・撮る時間が少なかったりして、人数やダイバーのレベルは楽しさに大きく影響してきます。
寒い時期のウエットは危険なことも
3月頃の、まだ水温が低い時期の出来事。
都心の¥20,000ほどでダイビングライセンス取得コースを行っている都市型ダイビングショップ。
ここでは原則ダイビング器材を買わないと受講できないんですが、ゲストが粘ったんでしょうか?
若い女の子がウエットスーツで潜っていて、唇を真っ青にしてガタガタ震えていました。
ドライスーツのレンタルがないのかもしれませんが、この時期にウエットスーツで潜らせるのは、ゲストが寒いというレベルではなくハイポサーミア(低体温症)になる恐れもあり、命にかかわる状況にもなりかねません‥。
ダイビングツアーの利益のためか、ドライスーツを購入してもらおうとしているのか分かりませんが、安全を考えていないダイビングショップだなと思いました。
余談ですが、ある大手都市型ダイビングショップのレンタルドライスーツはまっピンクやまっ黄色(これは問題ではありません)で、胸にデカデカと足のサイズが書いてあります。
以前のドライスーツは、ブーツのかかとに小さく足のサイズが入っていましたが、女性などサイズが分かるのを嫌がる方が多かったそうで、今は廃止になりました。それが胸にでかでかと入っているのは‥。
あるダイビングメーカーの方は「恥ずかしい思いをさせて買わそうとしているんですかね~」と笑っていましたが、ゲスト本人は意外と恥ずかしくなくて効果ないのでは(笑)と思いました。
本当に必要な講習ですか?
ダイビング器材の押し売りにプラスしてダイビングスクールをじゃんじゃん売っていくお店もあります。
価格と内容が見合っていてゲストに必要な講習であれば、知識が付き上達をするスクールを行うのは悪いことではありません。問題はその販売方法。
ある大手都市型ダイビングショップのブログで伊戸のツアーが、こんな説明がされていました。
「流れが強く出ることがあるので、レスキューダイバー以上限定です!」
えっ?レスキューコースと流れは全然関係ないしっΣ(・∀・;)
レスキューコースは自分がトラブルにあわない、またトラブルにあっている他のダイバーを助けるスキルなので流れは関係ありません。伊戸に潜ると年中事故が起きているなら必要かもしれませんが‥。
でしたら、インストラクターならゲストのスキルが分かるでしょうから、レベルで参加できるかどうかを決めたほうが良いのでは?
レスキューコースを売りたいのかなー、ちょっとみえみえだなーと思ったりします(^_^)
結局ゲストがレンタル代を払っている
レンタル無料のお店は初心者が多い?
<ダイビング器材のレンタル無料>のお店に集まってくるのはどんなダイバーでしょうか?
ダイビング器材を持っていない初心者ダイバーが増えるのだろうと思います。あるレンタル器材無料のお店では「ゲストの50%が初心者です」と紹介されていました。
普通、ゲストの方が長くダイビングを続けていれば、上級者の方が増え、初心者の割合は減っていきます。
「初心者専門店」という意味であれば悪いことではないのですが、ダイビングは上達してレベルが高くなることでどんどん楽しさが広がっていくもの。
それは難しいダイビングポイントだけではなく、初心者からでも楽しめる富戸や黄金崎のような海でも同じです。
あまり過度に初心者向けのダイビングショップになってしまうと、上達したダイバーには満足出来なくなり、離れていってしまうのかもしれません(^_^)
レンタル無料に意外な落とし穴?
「えっ?レンタル器材無料なら買わなくない?」と思った方。そうでもないダイビングショップもあるようです。
レンタル器材無料のダイビングショップですから、ダイビング器材を持っていない初心者が多く集まります。
どんなに多くのダイバーに参加してもらっても、ダイビング器材を持っている人ばかりだったら販売が出来ません。
そして初心者の方はダイビングの知識も少なく、インストラクターの言うことを信じやすいもの。
そこで、体に合っていなかったり、性能が低かったり、ボロボロだったりする器材を貸して「無料だから仕方ないんだよ~。自分の器材だと快適だよ!」と言って売ったりするそうです。
この方法ならダイビングツアーが安くても元が取れます。
上達してもらうのがインストラクター
ダイビングは上達すればするほど楽しさが大きくなり、安全性も高くなります。
大物を見たいと思えば神子元のように流れが強かったり、与那国みたいに1ダイブ中ずっと水底がなかったり。
初心者から潜れるダイビングポイントでも、上手くなったほうがずっと広い水域を周れて、見られる生物も多くなります。
ダイビングの上達の基本である中性浮力は適正ウエイトが大前提で、レンタルで器材が変われば適正ウエイトは毎回変わってしまい分かりません。
中性浮力は感覚的なものですし、合わないスーツは動きづらかったり、ドライではコントロールもしづらいもの。
上達するには自分の体に合った、良いダイビング器材を持つことが必須です(だからといって押し売りは違います)
その大切さを伝えていくのもインストラクター(=指導員)の役割だと思うので、
「安さで集まってもらおう。ツアー代はギリギリまで落としたから、レンタルも無料にしちゃおう」はインストラクター(=指導員)の本分としてははずれているのかな、と個人的には考えます。
最後に。安いダイビングショップの全ての店に今までの事が当てはまる訳ではありませんので、注意点として参考にしてください(^^)/
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